全国のやってるつもり族パパを代表してこの記事を書きたいと思います。家事や育児に関して、やってるつもりなのではなく本当にやってると思い込んでいる。なぜそう思ってしまっているのか。なぜアピールしてくるのか。ママとは逆の目線から解説します。そして全国のパパに本当にやっている「つもり」である事とドヤ顔をする危険性をお伝えしますので、ママもパパもぜひ最後までご覧ください。
パパがやっているつもりになる要因
私も含めてやってるつもりパパたちは本気で家事でも子育てでも戦力になっていると思っているのです。そこには様々な要因があり、美容師としてたくさんの奥様方やスタッフからのご意見を拝聴した情報、妻が入院した際と第2子が生まれ、継続的に妻がやってくれていた事を出産後にやらせて頂いた中で感じ取った事実と推測の元話を進めていきたいと思います。
全容を把握していない
そもそも全ての家事、育児を把握していない事が大きな要因になっています。我々「つもり族」は狭い視野で目に見えている範囲でしか業務の内容を把握しておりません。実際には自分が思っているところ以外に大量に業務があり、その存在を知らない事が一つ目の引き金です。
どのくらい見えているものか、パパにぜひ共有したい独自の公式があります。まず今見えている育児と家事の全体量の何%後自身がされているでしょうか?もし50%。約半分をやっているつもりだとしたら。大体全体の業務量の半分しか見えていないと考えてもいくらいです。
なので、自分が見えている範囲全体の50%の約半分をしている。50%の50%で約25%。25%を担当しているイメージということです・
100×(見えている範囲の中で自分がやっているつもり分量)×(見えている範囲の中で自分がやっているつもり分量)=実際見えている範囲
やっているつもりの割合 | やっているつもりの実際の範囲 | 実際のやっていない範囲 |
80%やっている | 64% | 36% |
50%やっている | 25% | 75% |
20%やっている | 4% | 96% |
極端かも知れませんがこのくらいに考えてもいいのではないかと。たくさん担当すればするほど、見える範囲は大きくなり、少なくなれば見える範囲は少なくほぼ把握していない状況に近づきます。20%やっているつもりだという方は全体の96%ができていない。つまりほとんどできていないと考えるべきです。ゴミを捨てたくらいではこの程度かこれ以下であると認識するべきです。
完成形態、基準が見えていない
完成度の低さも積もり族に集まる批判の要因となっています。一つずつの家事、育児、どこがゴールなのか。完成の基準はどのレベルなのか。オッケーラインの認識がずれている。手順が1〜10まであるとして8まで完成と本気で思っているケース。多々あります。また私のように抜けのあるタイプの方は、最後のツメが甘く、やりきれていないケースもある。
例えば、ゴミ捨て一つに関しても奥が深い。ただ捨てればOKではなく、新しいゴミ袋をどのような形で設置すべきなのか。さらにどのタイミングでその業務を遂行するべきのなのか。ゴミを捨てに行って後に設置すべきか、ゴミ袋を出した瞬間に次の袋の準備と設置をやるべきか(多くの場合後者)。仕事のマニュアルのように正しいやり方がそれぞれの家庭にあるのですが、その基準を知らない。知ろうとしない。これが問題です。
タイミングも重要で、捨てに行った後に設置しようと思っていたら、戻る前に妻が既に設置していた。これはアウトです。
この基準を知らないと、最悪のケースではやり直し。0からやるより手間が増えてしまう。こんなケースもあります。料理等複雑なルールが入り組むものに関しては非常に注意が必要です。
ここでまた一つ先ほどの公式に付け足さなくてはならない。性格や把握状況によりますが、自分がやっている業務の完成度は平均して、さらに良い方で考えて80%でしょう。
やっているつもりの割合 | やってるつもりの実際の範囲 | 完成度を含めた現実的にできている範囲 |
80%やっている | 64% | 51% |
50%やっている | 25% | 20% |
20%やっている | 4% | 3% |
つまり現実的に半分担当したいと考えているのなら、8割はやっているつもりにならなくてはそうならない。我々つもり族は心に強く刻まなくてはいけない現実ではないでしょうか。
つもり族のアピールの理由
お客様から、スタッフからのヒアリングの結果、対していやっていないのにアピールする事に対しての憤りを抱えている方がかなり多い事がわかりました。
なぜつもり族はアピールしたがるのか。中には誉めて欲しい。認めてほしい。そう言いた願望の方もあるかも知れませんが。パパ達にそんな意図がない場合も少なくないのです。
意思表示
家事、育児は自分の役割である事を認識しております。という事を伝えたい。そんな気持ちはあるはずです。決して自分は関係ない、あなた(奥さん)の役割だと考えているわけではない。そう。自分事として自分も動いているのです。と。
休んでいるわけではありませんと伝えたい
1部のつもり族の特徴として、奥様が業務をされている間、自分は休んではいけない。という感覚になっている方が少なくありません。この場合家庭内での組織図は完全に奥様が上司です、もはや会長と入社1日目の新人。
会長が見えるところで掃除をしていたら、入社1日目の自分は決して休憩なんてできません。
今私もしっかり仕事させていただいております。休憩しているわけではございません。というメッセージも込められている可能性があります。
ただの業務連絡
本気で何も意図はなく。完了した事をお伝えした。そういうケースもあります。やはり、同じ状況でも感情により捉え方と伝わり方が変わります。
仕事でも業務が完了したら報告するというフローが存在すると思うのですが、ただそれてお同じ感覚。お風呂掃除完了しております、と報告した。だけ。
このような状況でも、何をたまにやっただけでドヤ顔してんねん。という視点で見ればそう見える事もあるでしょう。
つもり族パパ勢が認識しなくてはいけない事
いくつか認識しておかなくてはならないと思う事を紹介いたします。
見えている範囲は限定されている
仕事と同じ、経営者で現場に出ていない方は現場の情報を全て持っているわけではありません。お店のスタッフも経営者が持っている情報を全て持っているわけではない。お互い持っている情報の擦り合わせをし、情報量の差を埋めなくては、生産的な議論もできませんし、的確なコミュニケーションは計れません。
奥様との持っている情報の違い、情報量の違いは認識しなくてはなりません。
評価は他人がするものである
自分が認めてほしいところを評価してほしい。これは社会では通用しません。会社にも何をどう評価するのか基準があり、美容師の仕事でも、いい仕事をしたかどうかはお客様が決める事で、自分で自分の評価を決めることも、評価軸を自分から求める事もできません。
何を求められているのか、どこで結果を出さなくてはならないのか。その方針を知ることが第一歩でそのためには業務全体の把握とどこに問題(大変さ)があるのかの情報をとらなくてはいけない。
自分のやり方をするのは結果を出すのは評価を得てからである
転職してきた方を考えてみてください。初日から俺はこのやり方でやってきたんだ。と言って自社のやり方を知ろうとしない人はやりにくくて仕方ありません。まずうちのやり方を知ってそれに沿ってやってくれ。と思うはず。もちろん結果が出て信頼が積み上がっていけば、あなたが言うならそのやり方も試してみてよ。となるのですが、まず結果を出す事。自分のやり方、意志を出していくのはその後です。
まず家庭内のやり方をヒアリングしましょう。この業務の手順は、OKの基準は、どのくらいの頻度でどのレベルで仕上げる事を求められているのか。マニュアルの存在を知り内容を把握、それに沿ってまず結果を出す、非常に大切な過程です。
単発と連発の違い
単発でするのと、連続でするのは難易度も大変さも大きく変わります。例えば、保育園のお迎え。たまに行ったらお子さんもいつもと違う感じが新鮮で素直に言う事を聞いてくれ、スムーズにいくかも知れません。また、偶然にも難易度が低い日に当たっているケースも考えられます。
しかし毎日の事となると、新鮮さはなく、他に興味が移ったり、子どもの機嫌が悪かったりでスムーズに行かない日も出てきます。ただ保育園と家を往復するだけの仕事ではないのです。連発での仕事は単発に比べ非常に負担もお大きく思った以上にストレスの溜まることなのです。
もし、家事、育児に携わる時間が限られているとしてら、ずっと同じ役割をするのではなく、一定期間連続して担当する事を時にはローテーションで回していただくのもおすすめです。連続で経験しみてみる事で初めて見える事や、単発ではわからなかった大事な情報を得る機会が増える事間違いなしです。
アピールは逆効果
パパの皆さん。何らかの意図があって業務完了のアピールをされていると思いますが、多くの場合逆効果を生むのは私が統計をとった結果間違いありません。頑張っているアピールではなかったとしても、どう伝わるかわかりません。
家事、育児は完了報告をせずとも見ればわかります。粛々と仕事をし、粛々と他にできることはないかを探す努力をしましょう。
完了したと言う報告よりも、おそらくですが、未完成な部分至らない部分ははございませんでしたか?とお伺いするのがベストかも知れません。(毎回聞いたら絶対うっとおしいので頻度はそれぞれの家庭に合わせてください)
全ての原因は知らない事知ろうとしない事が要因である
パパとママの間で起きる家事と育児のすれ違いは全てが「知らない」「知ろうとしない」事から始まっています。やっているつもりの前に、知ろうとしているつもりがきているかも知れません。今この瞬間、書きながら自分の問題点に気づきました。知ったつもりになっていたと。
知ればできる事もあります。知れば気遣える所も相手の意図がわかる所もあります。全て把握したつもりになるのが一番良くない事かも知れませんね。
一方通行では成立しない
家庭の問題は一方通行では成立しません。パパ勢も全て知れているわけではない。ママ勢も全て知れているわけではない。お互いずっと一緒にいるなら別ですが、家の事も仕事の事も、一日の中には見えていない時間がたくさんあるわけで、家族だと言っても知らない事がたくさんあるはずです。
また、聞かない方がいいかな、言わない方がいいかなとお互いの事を思って知らせていない事も多々ある。夫婦の関係性やお互いに求めるものはそれぞれで何が正解というのはありませんが、結局の所、お互いが歩みよる必要がある。この一言になってしまいます。
まとめ
私を筆頭に全国のつもり族パパの皆様。我々はまだ知らない世界が家庭には広がっています。知ろうとする事をやめてはいけません。もう到達したと満足してしまえば、その後は衰退。自己満足の世界で生きることになります。技術や経営と同じく終わりのない道であり、どんな時でもその手を止めてはいけません。
また奥様方も全て我々の事を知っているわけではありません。意図が間違って伝わっていることも、自分の状況や悩みも言えていない事もあるかと思います。SNS大時代で仕事のことを世の中に発信しているかたは多いと思いますが、一番近い方に少しでも知っていただく努力も大切かも知れませんね。